田園調布の獅子内です。
弊社を利用するお客様には、バイタリティー溢れる女性が沢山いらっしゃいます。
今どきの表現なら、ハンサムウーマンって言うのでしょうか
趣味や仕事を通じて、もしくは家庭の中で、人を引っ張り、時には支えたり、、、
いろんなシーンでなくてはならない存在。
私は施術を担当する立場なのですが、その方々の頑張ってる姿やエピソードから励まされる事が多く、自分の活力になったりしてます。
本当にカッコよい方が多いんです
そんな中でも、とてつもないハンサムウーマンが、先日がPNFにいらっしゃっいました。
ジャズバイオリニストの寺井尚子さんです。
かれこれ、もう5年以上コンディションを担当してます。
年間、200回以上のライブセッションの為に日本全国隅々へ、さらには韓国やフランスに渡ってしまう方です。
こんな日常が10年くらい続いているとの事です。
そして毎年この時期にCDをリリースするのですが、作品を手にする度に「また怒涛の1年の始まりますね」と話す、このローテーションも6周目を迎えることになりました。
担当を始めた当初、何をどのようにサポートしたらよいのか全く分からない状態からスタートしました。
芸術や音楽に疎い自分、何か参考になるものとアーティストに関するトリートメントをテーマとした文献や著書を探してみました。
結果、バレエダンサーやピアニストに関するものが出てきても、バイオリニストしかもジャズバイオリニストに関するものなんて見つかるはずもなく、思い巡らすしかなかった事をよく覚えています。
百聞は一見にしかず、ということでライブに伺ったのですが、、、
そこで受けた衝撃といったら。。。
ジャズ特有のスイングをしかもピンヒールで、切れて弾け飛ぶ弓のひげ、縦にも横にも振りまくって、音を絞りだしてるようなパフォーマンスに目を奪われてしまい、ほとんど音楽が耳に入りませんでした。
それを受けて施術は全身に及ぶ事になるのですが、指を動かす筋肉と肩の連動性をよくしようと1年くらい取り組みました。
バイオリンは弦をチューニングが必要ですが、それを音を出すための両腕の筋肉はまた弦のようで、微妙な捻れや関節のつまりに反応するのだなと、セラピスト側に学びが多いトリートメントとなりました。
それから1年経ってから、テレビ局のイベントライブがあるという事で観に行きました。
腕の振りがより効率的で一度に沢山の音が出しても、肘や手首、指へのストレスがなくなったようにも見えました。
共演者の高嶋ちさ子さんが、「ジャズのセッションはおつむがよくなきゃ出来ない、寺井さんが作った譜面には一度に沢山の音が出せるようにすごい工夫がされているよ」という、特有の毒舌批評をきっと自分はニヤケた顔で聞いていたはずです。
時が経ち、もう一苦労。
テレビからの映像に衝撃でした。
ジャズバイオリニストなのに、、、ヘッドバンキングしてる。。。
ジャズにバイオリンが使われるのは、マイクを使って集音したものを他の楽器との音響バランスを整えられるようになってからの事のようでして、会場の湿度や来場者の着ている服で響きが随分変わるそうです。
さらにドラムやバスを後ろに引かれるバイオリンの音は演奏者には全く聞こえなくなるとの事で、一度に沢山の音を聞き逃していけない状況から、パフォーマンスに変化が起きたように見えました。
ジャズのセッションなのにパンクロッカーみたいになっている寺井さんがそこにいました。
パフォーマンス的には大ウケな様子、でも心配になり本人に伺うと、、、
「音が聞こえないからバイオリンに耳を近づけたくなるみたい」と自覚症状薄め。
耳をバイオリンに近づけて頭は下がり、弓を引いては上がりで、体の縦振りが大きくなったんだろうという解釈をしました。
この頃からコンディションというよりメンテナンスの機会が多くなり、何かしらの改善策をとよく話し合いました。
施術が後手にまわる、そんな事が多く悩みました。
普段の移動時の荷物の持ち方から、普段履く靴、そして手や身体のセルフコンディション、、、
他にも年間通してパフォーマンスを続ける為によいと思われる事を探しては試すという事を現在まで続けています。
「PNF に来るのは仕事だから」というスタンス、演奏やパフォーマンスに毎回の地道なセッションからマイナーチェンジを継続していくお手伝いをしてるんだと実感できるようになったのは最近のことです。
施術のエピソードはまだまだ沢山あるのですが、この辺にして。。。
昨夏、私の地元である八戸で屋外ジャズフェスティバルがあり、帰省も兼ねて両親と共に行きました。
夏フェス月間、境港から八戸へそして韓国での野外イベントと飛び回る季節、その中で新しい作品のリハーサルと1年の中でも緊張感と疲労感が増す時期にどんなパフォーマンスになるか、気になりながらご挨拶、そして会場に入りました。
森の中のステージ、夕暮れ、ひぐらしの鳴き声、そしてバイオリンが響く、そして徐々に夜になるに連れて盛り上がりをみせる、、、たぶん初めて仕事を忘れて、パフォーマンスがどうなってるかを気にせず、ライブを楽しむ事が出来ました。
そんな折に収録された今回のCDは、今までの作品よりも、他のバイオリニストには真似できない音の数に、さらに音の伸びが増しているような、、、個人的な感想です。
次のライブパフォーマンス、どうなってるか、楽しみにしながらCDを聞いてます。
毎度、長々と語りましたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。